運動が苦手な子供に対しての親の付き合い方【30代男性ジム会員さんインタビュー】
今回は少し前のことですが、タムラジムに通う30代の会員さんとお話して印象に残ったことがあったのでそれをまとめてみました。
話の内容は、運動が苦手という小学生のお子さんを持つ山田さん(仮名)が、タムラジムの子供達の練習の様子を見て、自身のお子さんへの接し方を変え、子供の運動能力が向上し、お子さんが自信を持つようになったという内容です。
話のテーマは「運動が苦手な子供に対しての親の付き合い方」。
ちなみに内容については、山田さん個人の考え方であって、子供に対しての親の接し方は十人十色だと思います。それ以外の考え方を否定するモノでは全くありませんことをお断りしておきます。
自分の子供は運動が苦手!?【小学2年生の頃】
現在、山田さんは30代の会社員、お子さんは現在小学4年生の男子です。
話の始まりは2年前のお子さんが小学2年生の時にさかのぼります。
子供は小学1年生からサッカーを始めました。
山田さんも小学生から高校生まで10年以上のサッカー経験者で、運動能力にはある程度自信を持っていました。
山田さんは自分と同じように、子供もある程度(上手にサッカーが)できるだろうと考えていたようで、少年サッカーの練習を見に行くのを楽しみにしていました。
山田さんは何度か子供の練習を見に行きました。
そこで少しずつある事実に気づいていきます。
「自分の子供は、周りの子供達より足が遅いんじゃないか・・・」
最初のうちはそれでも足も速くなってサッカーも上手くなるだろうと気にしないでいたのですが、練習を見に行くにつれ、段々そのことばかり気になるようになってきたのです。
「もしかしてチームで一番遅いのではないか・・・。運動が苦手なんじゃないか。」
山田さんは言います。
このあたりから練習や試合を見に行くのが楽しみでなくなって心配の気持ちの方が大きくなってきたと。
ちなみにこの時期ぐらいに山田さんはタムラボクシングジムに通い始めて、私達と出会いました。
子供が自信を失いはじめる
自分の子供は運動が苦手かもと思い始めたころ、当然子供も同じことを思います。
それでも楽しくサッカーをしていればいいのですが、子供もサッカーに対して積極的ではなくなり、自信も失ってきました。
子供が自分でやりたいと思って始めたサッカーですが、それを楽しめなくなると、子供もつらいですが、それを見ている親も辛いはずです。
「つい言ってしまうねん、それで泣かしてしまうねん」
それなのに山田さんは、子供が上達しなかったり、やる気をみせないことにイライラして、練習や試合終わりに子供をよく泣かせてしまっていたそうです。
「つい言ってしまって、つい泣かしてしまうねん」
「それで後から後悔するねん。」
このようなことは山田さんに限らず、ダメだと思いつつ言ってしまうことってないですか。
サッカーの試合を見ていても、子供に対して声をあげてる親御さんがたまにいます。
- 「○○(子供の名前)!、なんであたりにいかへんねん!!」
- 「それはお前がサボったから失点したとこやぞ!!」
- 「何でそれができへんねん!!」
- 「何でもっといかへんねん!!」
- 「やる気ないんやったらやめた方がいいんちゃうん?」
分かります、その熱くなる気持ち。
親からすれば、もっとこうしたらと思うところが沢山あって、「何で?」って思うことがあるから、つい発してしまう言葉なんだと思います。
みんな、子供に楽しくサッカーしてほしいがゆえの言葉なんでしょうね。
その後も山田さんは何とか子供に楽しくサッカーをやってほしいと考えました。
そこで山田さんが考えたのが、とにかく自信を植え付けることでした。
自信を持てれば何でもできる!はずだったけど・・・
山田さんには信念がありました。
「人間、自信さえあればできないことはない」です。
だからどんなことにもチャレンジしますし、失敗してナンボっていう考え方を持っています。
”人間失敗するから前に進む”
その考えを子供にも持ってもらおうとしました。
そのため、いつなんどきも、子供と接するときは以下の言葉を絶えず発して子供の自信を育もうとしました。
- ○○は、サッカーめちゃめちゃ上手い!
- 失敗しても一切気にせず突き進め!
- 自信さえ持っていたら勝手に上手くなるから!
- 周りの人がなんと言おうと俺(山田さん)はお前ができるのを知ってるで!
このようなことを絶えず発したのです。
褒めて伸ばすという教育をより極端にした感じですね。
山田さんはこれを、子供が小学校3年の時から今までずっとやっています。
その甲斐あって、以前よりも子供が自信を持って頑張っているなぁと思うことが多くなりました。
これはいける!!
そう考えた山田さんの手ごたえはかなりのものでした。
実際にこれに似たような取り組みをタムラジムでも行っていますね。
自分を褒めて高めるってやつです。
⇒タムラジムプレゼンツ「君はいつだって最高さ!」
私もこの取り組みはめっちゃ好きです。
山田さんはこの取り組みで安心していました。
そのうちレギュラーもとって、足も速くなって、サッカーをめちゃめちゃ楽しんでくれるだろうと。
しかし、ここから山田さんは本当の壁にぶちあたるのでした。
どうしていいか分からなくなった
子供が小学校3年になってから、山田さんはひたすら、子供に自信を持ってもらうように、子供を褒めたおして、自信を育もうとしました。
子供の顔つきも変わってきました。
「お父さん!学校終わったら、サッカーの自主練してるで!」
子供の自信は行動にも表れていましたし、山田さんはときどき、一緒に練習もしました。
子供が上達して楽しくサッカーができるように。
しかし、3年の終わりになっても4年に上がっても、試合ではほとんど出られませんでした。
そして、自分の息子がほとんど上達していないように見えたことが一番ショックでした。
子供は頑張っているし、自信も持っている。
練習もしている。
なのに上手くならない。
山田さんが奥さんにそのことを伝えたとき、子供が母親に弱音を吐いていることを、山田さんはその時初めて知りました。
で、山田さんはどうしたらよいか分からなくなったのです。
子供がサッカーを続けることは、子供にとって幸せなんだろうか。
もうサッカーを辞めるべきなんだろうか。
試行錯誤しながら諦めず続けることが子供のためなんじゃないか。
タムラジムの子供達を見て「ハッ」としたこととは
山田さんはタムラジムの子供と自分の子供を重ねるように眺めていました。
「タムラジムの子供達はみんなが楽しそうにボクシングをしているなぁ」
また、ジムの会長が色んな練習メニューを考えて、子供達に教える姿をずっと見ていました。
そんなある日、自分のジムでの練習はそこそこに、いつものように子供達のボクシングの様子を見ているときのことです。
山田さんは「ハッ」としました。
あることが頭をよぎったのです。
「俺は今まで、”うちの子供は他の子供に比べてサッカーが上手くない”と考えていたけど、そもそも、うちの子はサッカーを数年続けてきた中で、「正しい練習方法」をちゃんと理解していたのだろうかと。」
山田さんはこんな風に思ったのです。
山田さんが「ハッ」とする前の考えはこうです。
「みんなと同じ期間、同じ練習をして、自主練もしているのに、どうしてうちの子は上手くならないんだろう。
やっぱり運動センスがないから、いくら練習しても難しいのかな。」山田さんの奥さんも同様に同じことを思っていました。
「うちの子は運動が苦手やからなぁ。」
大人の役割は、子供が物事を理解する手助けをしてあげること
タムラボクシングジムの子供達を見て山田さんは何を思ったのか。
子供が運動が苦手だったり、サッカーがなかなか上手くならなかったのは、”子供の運動センスがないから”ではないと気づきました。
”サッカーが上手くなるための正しいやり方”を”正しく理解しきれていなかっただけ”だと気づいたのです。
なぜそう気づいたのでしょうか。
山田さんは言います。
少年サッカーの練習では、人数が30人ぐらいおります。
当然ながらコーチは上手くなるよう子供に教えるのですが、人数が多いと一人一人を見る時間というのも限られてくるのです。
これは学校の勉強なども同じだと思います。
授業についていけない人に理解してもらうには、その子のためにしっかりと時間をとって分かるまで教えてあげる必要があります。
サッカーの練習で、同じことを説明されても、人によって理解度は異なります。
子供の理解度はさまざまなのです。
これはある意味仕方のないことです。
しかし、タムラボクシングジムでは、田村会長の他、ジム生の協力体制が整っているので、会長が見ることのできない範囲でも、他のジム生が子供達を見て、子供達一人一人が、しっかりと理解できるまで教えます。
子供は理解すると、大人の想像をはるかに超えるスピードで、どんどんできるようになります。
”大人の役割は子供が正しく理解できるよう、精一杯手助けしてあげること”
そのことに山田さんは気づいたのです。
先週山田さんと話をして、こんな話をしていました。
俺は、子供と大人の”考える力”を同じように考えていた。
例えば大人がサッカーを上手くなろうと思ったら、ネットで検索したり、youtubeで正しいやり方等を理解して練習する。細かいところまでチェックして練習する。
けど、子供はそこまでできない。(出来る子もいるけど)だから大人が手助けしてあげる必要がある。
それさえしてあげれば、もう大人のすることは見守るだけ。タムラボクシングジムの子供達を見て、そのことに気づいたわ。
だから自分の子供に、俺が基礎から正しいやり方をしっかり理解できるように教えるわ。
二人三脚でサッカーの練習に取り組み始めた
これを機に山田さんは、子供のサッカー上達のために、子供の現状を理解して、オリジナルの練習メニューを作りました。
そして、子供がしっかりと練習を理解し、自然に身につくように毎日練習しようと決めました。
これもタムラジムで継続して練習し、どんどん上達していく子供達を見てのことです。
ただ仕事の都合上、帰ってからの練習は難しいので、朝の通勤前に一緒に練習をすることに決めたそうです。
上手くなりたかった子供も、お父さんと一緒に朝の通学前に練習することを決めました。
はじめは、練習メニューも試行錯誤で、結果にはなかなか反映されず、朝に子供が悔し泣きすることもあったそうです。
しかし、子供は地道にコツコツと父親の作ったメニューをこなし、山田さんは子供の体の動きを詳細にチェックし続けました。
4年生の8月に始めた朝練は、この一番寒い現在も続いています。
山田さんの子供はどうなったのか
以下は、山田さんの子供の運動が苦手だったころの状態です。
ほんの半年前のことです。
- 50mのタイムが10秒8(小学4年生)
- ヘディングができない(ボールが怖くて目をつむる、距離感おかしい)
- トラップできない
- シュートに力がない
- 相手にぶつかっていけない
- 周りの子たちに遠慮してしまう
- ほとんど試合にでれない
それから朝30分の練習を始めて
- 50mのタイムが8秒7(小学4年生)
- 怖がらずにヘディングをする
- トラップも上達
- シュートはまだまだ
- 以前より相手にあたりにいけるようになってきた
- コーチに運動能力の変化を気づかれるようになった
- 何より本人が以前より楽しく積極的にサッカーするようになった
まだまだお世辞にも上手いとは言えないそうですが、やれば変わります。
山田さんは言います。
子供を伸ばすためには何が必要なのか。
最初は子供に自信を持たせることさえすれば、何事もできると考えていた。
自信を持っていれば、やるべきことを自分で見つけてどんどん上達していくと。しかし、それは大人(自分)の話であって、子供はそれと同時に、物事を正しく理解できているかを大人が確認する必要がある。
その理解度は子供によって様々で、それを注意深く観察するのは大人の仕事です。
大人は子供が正しく理解できているかどうかを知り、それに応じて適切な手助けをしていく。それも言葉だけではなく、子供と一緒に始めるのです。
タムラフィットネスボクシングジムは子供の可能性を育てます
最近のタムラジムを見ていると(昔から?)色々な取り組みをしています。
新しいところで言いますと、11月に女子ボクシングの好川菜々選手に講演に来て頂きました。
テーマは「一番になること」。
子供目線のとても分かりやすい話で、子供だけでなく、周りの大人たちが子供をどうサポートしていくのか、沢山の気づきがありました。
⇒年に一度のタムラジム勉強会がためになりすぎた件
実はその講演の数日後に、「好川菜々選手が女性ボクシングの世界チャンピオンになった」という嬉しいニュースを見て、子供達もあの時のお話を思い返したんじゃないでしょうか。
https://www.nikkansports.com/battle/news/201712170000657.html
また、タムラジムには多くのALT(小中高校などで英語を教える外国人の先生)が練習に来ています。
そして、子供達に運動しながら英語を教えてくれます。
子供の英語への溶け込み方はすごいです!
我々大人に比べて・・・。
⇒タムラジムも国際交流
まだまだ沢山あります。
私はジムに入って2年ですが、普段の仕事をする日常だけでは得ることの出来ない中身の濃いぃ~体験をしています。
大人でさえこんな調子ですから、子供の成長は図りしれないと思いますよ。
そんな訳で今後もタムラフィットネスボクシングジムをよろしくお願いします。
ジムの体験・見学をご希望の方は気軽にご連絡ください。
⇒タムラジムの詳細を見てみる。
ありぞう